PTAを楽にするホームページができるまで|コロナ禍に進めたPTAのICT

PTAを、もっと楽にできない?

2020年、コロナ禍。
学校に集まれなくなった私たちは、PTAホームページを作ることにしました。

でも、そこにたどり着くまでには、いくつもの「できない」がありました。

  • なぜホームページだったのか。
  • どうやって形にしたのか。
  • そして、PTAは本当に楽になったのか。

これは、私たちのPTAがICT化に踏み出した記録です。

高校生・中学生・小学生の3人のお母ちゃん。小学校と中学校のPTA本部を経験。任期中はコロナ禍ということもあってPTAのICT化に全力で取り組む。その時の経験から『現場ー最優先』の考え方ややり方を提案。

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PTAホームページのきっかけ

2020年 新型コロナウィルス 流行

2020年4月、新型コロナウィルスが流行する中、私はPTA本部役員になりました。

当時、全国一斉休校の最中、こどもに留守番させながらPTA活動に参加していました。私自身、納得していませんでしたが、市や地域、学校との兼ね合いで『どういてもやらなくてはいけないこと』があったからです。本部役員が肩代わりする形で参加していました。

でも会議ができない

こうした肩代わりの活動はあるものの、学校への参集が禁止されていたので、約2か月ほどPTA会議できませんでした。

「これからどうするのか」など話し合いたい議題は山のようにあるのに、何もできない状態が続きました。

リモート会議で前に進む

そんな状況が続く中、当時のPTA会長の提案で、LINEを使ってリモート会議をすることになりました。

肩代わり活動で疲れた役員にとっては、待ちにまったPTA会議でした。

PTAのハードル

オンラインはやっぱり難しい

最初のLINE会議で「いろいろな活動をネット上で解決できないか?」という話にはなりました。

当時、小学校ではタブレットPCの配布やWi-Fiの設置がはじまっていましたし、PTAでもICTが導入できれば、学校に行かずにできる業務がいくつもありました。「オンラインで出来ることを探してみてはどうか」という意見があり、その方向で進めてみることになりました。でも、はじめてみると、とても難しいことに気が付きました。

  • インターネット契約のハードル
  • 学校Wi-Fiのハードル
  • PTAのスマホ

インターネット契約のハードル

今は違いますが、当時はPTA名義でのインターネット契約がとても難しい状況でした。

なぜかというと、PTAが「権利能力なき社団」とされ、基本的に団体名義の契約ができなかったからです。

例えば、PTA名義の銀行口座です。ほとんどのPTAが、会長や会計など個人名義で管理しています。役員交代のたびに名義変更が必要ですが、通信会社にとっては、この年度ごとの名義変更がネックになり、契約が難しい状況でした。

ただし、今は契約できる通信事業者が増えてきています。

②学校Wi-Fi

休校も明けて小学校に行ってみると、ICT化の一環で、すでに学校Wi-Fiが設置されていました。

これを使わせてもらえないかな。』という淡い思いで、学校に相談してみたのですが「NG」でした。

NGな理由

学校

PTA活動は、学校教育ではなく、PTA自体も学校とは別団体であるので難しい。

なので、学校Wi-Fiもダメでした。

③PTAのスマホ

そこで最後に考えたのが、スマホを使ったテザリングでした。もともとPTAの問い合わせ用にスマホを契約していたので、「このスマホからネットにつなげない?」という意見が自然に出てきました。

振込で支払えること、②契約中に名義変更できることを条件に通信会社を探してみると、契約できる通信会社がみつかり、PTAのネット環境を確保することができました。

ICTにつかうツールを何にするのか

通信会社が見つかり、具体的に「どんなツールを使うのか?」という話になった時に、候補に上がったのが、LINE公式アカウントメール配信サービスPTAホームページの3つでした。

そのうち、LINE公式アカウントとメール配信システムは、予算の総会承認が必要だったため見送ることになり、最後に残ったのが、PTAホームページでした。

PTAホームページのはじまり

PTAホームページには、最初「難しそう」「高そう」という声が多く出ました。

でも、「簡単なものもありますよ」という意見をきっかけに、サンプルを作ってみることになりました。

PTAホームページの手ごたえ

サンプルができると「どんなホームページにしたいのか?」という話にすぐになりました。前の会議で消極的だったメンバーも、積極的に意見を出してくれるようになっていました。

そして、ホームページはPTAから保護者への連絡手段として使うことに。

情報共有や資料配布を中心としたホームページをつくることになりました。

PTAホームページをどう使う?

ホームページを作ることが決まり、次に考えたのが「何を載せるか」でした。

そこで参考にしたのが、普段から見ていた学校のホームページです。

学校がお手本

なぜ連絡手段のホームページかというと、小学校のホームページが、そうした使い方をしていたからです。

課題(ドリルの範囲)を公開したり、プリントPDFを配布したり、WordやExcelを共有したりと、ホームページを見れば、必要な情報を確認できる仕組みになっていました。

PTAなら、会則や総会資料を共有したり、PTAだよりを掲載したり。お手本になる実例がすぐ目の前にありました。

学校の説得

PTAホームページを作ることを学校との会議で報告しました。

校長先生からは、

校長先生

過去に、ホームページを作ったPTAを何回かみてきましたが、半年程度で更新がとまり、1年後には使う人はいませんでした。大丈夫ですか?

という心配の声がありました。

そこで、学校ホームページをお手本にした「連絡ツールとしてのホームページ」であることを説明しました。

資料選び

学校説明後、本格的に資料選びをはじめました。

資料が多いほど保護者が大変になるので、不要なデータは削除し、保存期間のあるものだけ残すようにしました。

PTA活動を見直したきっかけ

資料の整理が終わったころ、一人の委員長から連絡がありました。

コロナが怖いという理由で委員会活動をサボっている保護者がいます。どうしますか?

もともと、委員会活動を休むことも禁止していませんでした。ただ、一人が休んだことで他の委員の負担が増えて、不満がでたようでした。

この時に役員で話し合って、「誰が正しいかよりも、負担そのものを減らそう」という話になりました。

PTA活動の見直し

  • 委員会活動を大幅削減
  • 委員会を途中でやめることも可
  • 委員長の裁量で、活動の停止も可

120あった活動項目を見直し、63項目を廃止。約4分の1の活動を規模縮小しました。その結果、3委員会が活動休止となり、残り4委員会も規模を縮小しました。残った活動もやり方を見直しました。

また、PTAが自主的に行っている活動と、学校から頼まれている活動の区別がわからなくなっていたため、校長先生と教頭先生に相談しながら整理しました。

ホームページ作成開始

ホームページは2学期から作りはじめました。

学校、各委員会と調整しながら10月初旬に、最初のホームページ(案)が完成しました。

先に活動を見直していたので、載せる内容も絞り込めて、思っていたよりも早く形にすることができました。

この時にホームページに載せた内容は

  • 総会資料のPDF
  • PTA会則や個人情報取扱規則等の細則のPDF
  • 各種申込フォーム
  • 委員会活動の報告
  • 次年度委員・役員の募集要項

です。

一緒に見直したPTAのやり方

ホームページを作るのに合わせて、PTAのやり方も見直しました。

  • 個人情報対策
    お手紙の発出者を個人名から委員会名・役職名に変更。検索エンジンにも表示されない設定にしました。
  • 総会対策
    総会資料をパスワード付きPDFで配布し、Googleフォームで表決を回収するようにしました。
  • 懇談会対策
    委員会活動の報告や委員募集をホームページに移しました。

懇談会の時間を有効に使えた」と、先生方にも喜んでもらえました。

学校との最終調整

ホームページ案と一緒に、「PTAと教員それぞれの作業削減案」をまとめ、学校と最終調整を行いました。

「PTAも学校も楽になる仕組み」であることを伝え、校長先生・教頭先生にも了承していただきました。

「PTAホームページ、今から楽しみです!」

そう言ってもらえたのは、素直に嬉しかったです。

試験運用

10月下旬から試験運用を開始。保護者にも実際に見てもらい、誤字脱字や「わかりにくい」「使いにくい」ところをチェックしてもらいました。

もちろん、「なんのためにやるの?」という声もありました。それでも、実際に使う人から意見をもらいながら修正を重ね、少しずつ形を整えていきました。

公開

2021年4月、PTAホームページを公開しました。

反応はまずまずでしたが、その後の委員募集では、例年より多くの応募がありました。

新しい委員さんからは、

ホームページのおかげで楽になった。

という声も。この言葉を聞いて、ようやくホッとしました。

その後……

  • 年間1万7000部だったPTAのお手紙を、6900部まで削減
  • 委員会活動は少しずつ戻りましたが、学校に集まる回数は減りました。

ホームページを導入するまでは大変でしたが、これまでのやり方から一歩前進できたと思っています。

私たちは退任するときに、「負担になるなら、ホームページはやめてもいい」と伝えました。新しい方法が見つかったら、そちらに変えてほしいとも。

PTAホームページを、対外的な広報ではなく、保護者や教職員との情報共有の道具として使えたことに、私たちは手ごたえを感じていました。

2026年現在も、PTAホームページは稼働中です。
内容はかなりコンパクトになったそうですが、今も使われています。

そして、「必要なくなったら消していいからね」という私たちの代の言葉も、受け継がれているそうです。

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