PTAホームページ完成までの記録:時系列

この記事は

PTAにもICTを取り入れてホームページを作ってみようという試みの記録です。

ジオ

2020年の新型コロナウィルスが発生した時の記録です。

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PTAホームページのきっかけ

ホームぺージをつくるきっかけになったのは、新型コロナウイルスのまん延でした。私がPTAに加わったのは、ちょうど全国一斉休校になった2020年4月でした。

この頃、こどもが通う小学校には、保護者からいろいろな意見が上がっていました。

どんな病気かもわからないのに、学校に集まるなんて怖すぎる

まだ国内でも数名しか感染していないのに、学校閉鎖なんて度が過ぎている

喘息が重いから、家から出られない。学校再開しても通わせたくない。

価値観や体質、お仕事の種類によってさまざまな意見が集まり、その内のいくつかはPTAに関するものでした。そんな状況だったので、4月から一斉休校が終わる6月まで、いろいろな活動を休止しました。でも、すべての活動を休止できたわけではありません。そんな状況でも、やらなくてはいけないこともありました。そうした仕事は、誰がやっていたかというと本部メンバーです。何とか回していましたが、一斉休校が終わる頃にはメンバー全員が疲れていました。

そこで急遽リモート会議を開き、今後どうするのかを話し合うことにしました。

PTA本部

どうしたらいいんだろう・・・。

PTA-ICTのハードル

こどもが通う小学校は、もともとICTに力をいれていた学校だったので、リモート授業も早い段階で始まっていました。

PTAはどうかというと

PTA本部

ICTを取り入れたいけど…。調べてみると難しい。

なかなか思うように進みませんでした。ICTが導入できれば、学校に行かずにネット上で完結できる業務がいくつもあるのに…。

インターネット契約のハードル

ICTを整備するためにはインターネット契約が必須ですが、このインターネット契約がとてもむずかしい問題でした。

実は、PTAと契約できるインターネット通信会社はほとんどありません。なぜかというと、PTAは「権利能力なき社団」とよばれ、団体名義で各種の契約ができないからです。

例えば、会費を管理する銀行口座は、PTA名義ではなく会長や会計の名義で口座を作り、使途項目でPTA口座としています。そのため任期ごとに名義変更を行う必要もあります。

でも、通信会社には こうした名義変更の事情が理解されず契約することができませんでした。

学校のWI-FI

学校のICT化に伴い校内に敷設されたWI-FIを使わせもらえないかという交渉も学校にしてみました。

結論から言うとできませんでした。

学校

PTA活動は、学校教育ではなく、PTA自体も学校とは別団体であるので難しい。

という理由でした。なので、学校のWI-FIも断念しました。

PTAのスマホ

失敗エピソード1

以前、PTAの問い合わせ対応には役員の個人携帯電話を使っていました。

でも、迷惑電話が繰り返される出来事があり、数年前にPTA用の携帯電話を契約していました。契約方法は、口座同様に役員の名義での契約です。

私たちがPTA本部に入った2020年には、携帯通信会社の最低使用期間もなくなっていました。

PTA役員

PTAの携帯を新たにスマホに切り替えて、そこからテザリングでインターネットにつなげないかな?

そんな流れで、携帯電話をスマホに切り替え、なおかつ大手キャリアから格安の携帯通信会社に切り替えることになりました。

探しはじめて5社目で希望する内容の通信会社に巡り合え、契約することになりました。

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ICTにつかうツールを何にするのか

疑問

「どんなツールを使うのか?」という話もしていて、いくつか候補も上がっていました。

  • LINE公式アカウント
  • メール配信サービス
  • メール配信アプリ
  • ホームページ

LINE公式アカウント

手軽さという部分で、ライン公式が一番最初に上がりましたが、

  • すでに総会後のため予算は少額の予備費のみ
  • 加入世帯数が多いために有料登録が必要
  • ラインの登録に抵抗感のある保護者が一定数いる

という理由で、ライン公式アカウントはあきらめることにしました。

メール配信システム・アプリ

PTA改革に成功していた名古屋吹上小学校PTAでも使っていたので、使ってみたくて色々と調べてみましたが、予算オーバーのため断念し翌年以降に持ち越しになりました。メール配信アプリは、簡易ホームページとメール配信システムが一緒になったもので、とても魅力的でしたが10万円/年を超えるので同じく断念しました。

PTAホームページ

PTAホームページの話が出た時に、

役員の一人

「難しくて無理」

役員の一人

「会社のホームページは高額だった」

等々、否定的な意見が多くでていました。でも、数名の役員から

PTA役員

むずかしい物もありますけど、簡単な物もありますよ

という意見が出てきて、この日からサンプル用のホームページをつくりはじめることになりました。そして1週間後にみんなに見てもらうことになりました。

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PTAホームページの手ごたえ

会議

サンプルを確認してすぐに「どんなホームページにしたいのか?」という話になるくらいに手ごたえがありました。

前の会議で消極的だったメンバーも積極的になっていました。

この時、みんなで

ホームページの使い方

  • 保護者←→PTAの連絡手段とし使う

ということを決めました。広報ではなく連絡手段としてのホームページをつくることになりました。

学校の説得

PTAホームページを作ることを学期ごとの学校との会議で報告しました。

当時の校長先生も教頭先生も「なぜ?」と疑問に思っていたと思います。質問や意見交換の場でも、

校長先生

ホームページを作ったPTAを過去に何回かみてきましたが、半年程度で更新がとまり、1年後には使う人はいませんでした。大丈夫ですか?

という御心配をいただきました。この時に連絡ツールとしてのホームページを作りたいとお伝えしました。

資料選び

PTAのお手紙は10年前からパソコンで作っていたので、沢山の資料がデジタルで保管されていました。

すべてをホームページ載せる必要もないですし、資料が多いほど保護者の仕事の効率が悪くなるので、不要なデータを削除しました。

個人情報に係る資料は保存期間の物だけ残し、残りは各役職や委員会担当者で管理してもらうことにしました。担当者に必要な物を選んでもらい、あとは削除しました。

この作業のおかげで、データがすっきりしてホームページに載せたい資料も探しやすくなりました。

コロナを理由にした委員会欠席

資料の整理が終わったころ、一人の委員長から連絡が入りました。

委員長の一人

コロナが怖いという理由で委員会活動をサボっている保護者がいます。どうしますか?

もともと、委員会活動を休むことも禁止していませんでした。

でも、一人が休んだことで、他の委員の作業が増えて不満がでてしまったようでした。

家庭により、いろんな事情があることも役員もわかっていましたし、「どちらが正しいとか間違っているということでもないよね。」という話になりました。この時に、PTA活動の作業量が原因でもめるなら、作業を削減しようという話になりました。

PTA活動の見直し

  • 委員会活動の大幅な削減
  • 委員会を途中でやめることも可
  • 委員長の裁量で、活動の停止も可

整理した活動項目は大小合わせて120活動。廃止したものが約半部の63。規模縮小したものが1/4。残った活動もやり方を調整しました。

*3委員会が活動休止になり、残り4委員会も活動規模を縮小しました。
*PTAが自主的に行っている活動と、学校から頼まれている活動の区別がわからなくなっていたので、校長先生と教頭先生に相談・確認しながら見直しました。

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ホームページ作成開始

2学期から、ホームページ作りがはじめました。各委員会・学校との調整をしながら10月初旬にPTAホームページ(案)が完成しました。先に活動の精査が終わっていたので、ホームページもすぐに形になりました。最終調整は学校と行いました。

PTAホームページの機能

  • 総会資料のダウンロードページ
  • 各種申込フォーム
  • PTA会則や個人情報取扱規則等の細則の閲覧ダウンロードページ
  • 委員会活動の報告ページ
  • 次年度委員・役員の募集要項

変更点

個人情報対策:

  • お手紙の発出者を、委員会名または役職名にしました。
    変更後)PTA会長 交通安全委員長 等
    変更前)PTA会長 〇〇 〇〇
  • 検索エンジンの検索結果に載せないように設定しました、

総会対策:

  • 総会資料は、パスワード付きのPDFにしてダウンロードする形式にしました。印刷作業・配付準備が削減されました。
  • Googleフォームを使って表決を回収する仕組みにも変えました。

懇談会対策:

  • 委員会の活動報告や委員の募集・役員の募集を懇談会からPTAホームページに移動しました。

*「懇談会の時間を有効に使えた!」と先生方からも喜ばれました。

【結果】学校と最終調整

  • PTA活動の作業削減の目安
  • 教員の作業削減の目安

2つの資料を用意していきました。先生たちも大変なことを知っていたので、PTAも先生も楽になることを伝えようと思いました。

結果、校長先生にも教頭先生にも許していただくことができました。

「PTAホームページ、今から楽しみです!」とも言っていただけて素直に嬉しかったです。

試験運転期間

10月下旬から、ホームページの試験運用をはじめました。試験運転期間に、保護者に直接見てもらって誤字脱字のチェックや使い方・わかりにくい点を報告してもらいしました。当初、「なんのためにやるのか?」というお叱りもいただきましたが、沢山の目でチェックしてもらったおかげで、使いやすいレイアウトにできたと思います。

公開

2021年4月に公開しました。

ホームページへの反応はまずまずといったところでしたが、フォームを使った委員募集には、例年よりも多くの応募がありました。

新しい委員さんからは

委員

ホームページのおかげで楽になった。

という声もいただけました。

まとめ

その後・・・・。

  • ホームページを導入する前は年間1万7000部印刷していたお手紙が6900部まで削減されました。
  • 委員会活動は、少しずつ活動が戻ってきましたが、学校に集まる回数は減りました。

PTAホームページを導入するまでは大変でしたが、これまでのやり方から一歩前進できたのでよかったと思っています。ホームページが負担であれば廃止してもいいことを伝えて私たちは退任しました。このあと何年続くかはわかりません。また新しい方法がみつかれば、その方法に変えてほしいと思います。

対外的な広報ツールにするよりも、保護者や教職員と情報共有をする道具して使うことで、満足感がえられたと思います。

他校が、どんな風にホームページを導入したのか気になる方に、読んでいただけたら嬉しいです。

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